ワイドパンツの素材のお話①
こんにちは。今日は3TUCK WIDE PANTS に使われている素材のお話をしようと思います。
縦CM36/2番手、横CM24/2番手使いの縦横双糸使いの右上がりの綾織物です。縦横をコーマ糸のリング紡績にこだわり、より滑らかな糸質を目指した規格です。縦横の打込も多く打込みより丈夫なハイクオリティな素材です。
そのキバタを染め前の前処理でコールドマーセ加工することで更なる光沢感、上質なウェポン素材に変化します。
ちなみに当時の陸軍規格で、縦36/2×横25/2。打込108×60、生地巾、40インチという規格がベースでありその規格を再現しております。
◇コールドマーセ加工について
まずマーセライズ(シルケット)加工とは、綿生地を緊張させた状態で苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)液中で処理することで生地の縮率安定、染色性など諸性質の向上を目的とした加工方法です。この加工を低温で行う事でゆっくり生地を処理していくことで独特の硬い風合い、長期にわたる光沢感の持続性を維持することを目的とした加工となります。
◇ウェストポイント→ウェポン(West point)
・双糸使いの3/1右綾組織
・チノと同肉程です
・由来:ニューヨーク州東南部、米国陸軍士官学校のある場所の地名がウェストポイントであった為。日本から戦後大量に輸出されていた綾織物で、米軍の軍服用織物の規格にもとづく輸出織物であったため、この名称が一般呼称となった。陸軍規格は、番手:36/2×25/2 打込:108×60 生地巾:40インチ。シルケット加工を施し、光沢を出した高級感あふれる織物で、高級農作業服、運動服に使われ、米国では丈夫な生地から「ユニフォーム・ツイル」と呼ばれていた。
それを日本では略称しウェポン呼ばれ、高級ワーキングウェア用生地として取り扱いが増えた。
※チノとウェポンは同義語で考える方もいますが、上記が一応の区分けです。
ちなみに
◇チノ(Chino)
・単糸使いの3/1左綾組織
・カツラギより肉薄
・由来:もともと英国で作られ、インド,中国へ輸出されていたものが、第一次世界大戦時にフィリピン駐留の米軍が軍服用に中国(China)から購入していた背景があり、ChinaがなまりChinoという名称が使われるようになりました。
いかがだったでしょうか?興味ある人もいれば、興味ない人もいると思います。
デザイナーの独り言でした。